四十肩、五十肩の主な症状と対処法。簡単ストレッチとトレーニング
四十肩、五十肩は あくまで一つの疾患でなく、肩関節に炎症が生じる疾患の総称と言えます。 40~65歳に発症し、特に50歳頃に多く見られます。
一般的に『四十肩』『五十肩』と表現され、正式病名は「肩関節周囲炎」主に肩関節の周りで起こるので腱板炎など
それぞれ意味合いが異なる場合があります。 自然治癒することが多いですが、中には適した診断・治療が重要で欠かせない場合もあります。
最初に40、50代多く見られると説明しましたが、20、30代にも発症する恐れもあります。
今回は主な症状と対処法(ならない為)を説明いたします。
目次
- ○ 原因
- ・運動不足、加齢
- ・姿勢の乱れ
- ○ 症状
- ・急性期
- ・慢性期
- ・回復期
- ○ ストレッチとトレーニング
- ・振り子ストレッチとトレーニング
- ・肩甲骨のアップダウンストレッチ
- ○ まとめ
原因
明らかな原因は不明ですが、 靭帯や腱、関節包、滑液包、骨、軟骨など肩関節を構成する組織に炎症が起きることで痛みや拘縮につながります。
四十肩・五十肩は「肩関節周囲炎」という正式名称があり、肩関節周辺の組織に炎症を起こしている状態です。
肩まわりの筋肉や腱などに炎症が起きることで、強い痛みと可動域の制限を生じます。
四十肩と五十肩は同じ症状といえますが、発症する年代で呼び方が異なりますが、30代に起きても四十肩と呼びます。
運動不足、加齢
加齢や運動不足が原因で関節周辺の筋肉や腱の柔軟性が低下することがあり、主に30代の方は運動不足が多いと思われます。
硬くなった筋肉に日常生活での負担が蓄積されていき、ある日突然炎症を起こすことが考えられます。
姿勢の乱れ
猫背や巻き肩といった姿勢の乱れによって、肩まわり、肩甲骨、筋肉に余分な負荷がかかり、緊張や血行不良が起こりやすくなります。
血流が悪くなれば、日頃の身体にかかった負荷を回復するための栄養が行き届かなくなり、炎症を起こしてしまうことが考えられます。
症状
個人差はありますが、四十肩・五十肩は、「急性期」「慢性期」「回復期」で症状が変わります。
四十肩・五十肩への適切な対処をおこなうために、それぞれの時期の症状を知っておくことが大切です。
急性期
炎症が強く出ている時期です。
動作時だけではなく、安静時にも痛みが出ることがあります。
動かした時の痛みだけでなく、肩がジンジンする・ズキズキするなどと表現されることがあります。
特に寝ている時に痛みが強まる「夜間痛」によって、寝付けなかったり、夜中に目が覚めたりする場合があります。
慢性期
夜間痛、安静時痛は収まり、運動時の「突っ張ったような痛み」「鈍い痛み」へと移行してきます。
急性期の炎症によって肩が拘縮し、可動域に制限が出てきます。
「腕を挙げる動作」「腕を捻る動作(結髪動作・結帯動作)」が制限される点が、四十肩・五十肩の特徴的な症状です。
肩がだるい・重いなどと表現される事もあります。
回復期
徐々に痛みが改善し、可動域も日常動作には支障がない程度にまで回復してきます。
急性期〜回復期は半年から、長い方では1年、1年半ほどかかる場合があります。
状態により異なりますが、自動運動や他動運動を痛みのない範囲でしっかり行います。日常でたくさん肩を動かすことで回復も早まる事も、その時はパーソナルトレーナーなどの専門的な方の指示を受けてみましょう。
ストレッチとトレーニング
肩関節(肩甲上腕関節)を形成しているのは肩甲骨と上腕骨(二の腕の骨)です。その骨をつなぐローテーター・カフ(回旋筋腱板)という筋肉群は、肩のインナーマッスルと呼ばれ、肩関節を安定させます。
ローテーター・カフは、腕を使う全ての運動に密接に関係しているため、ひとたび炎症が起こると日常生活はかなり不便な状態になります。痛みが強い急性期は、関節が動かないように固定して安静にしていることがいちばんですが、急性期を過ぎても関節を全く動かさないでいると、筋力低下、筋肉が凝り固まり完治まで時間がかかります。
そのため、四十肩・五十肩を改善するには、「筋肉を動かすこと」が重要です。ただし、誤った動きで痛みを悪化させないよう十分注意して動かす必要があります。
肩関節は「立っている」「座っている」だけでも「腕の重さ」+「重力の負荷」に耐え、腕が抜けないように支え続けていますので、その状態からさらに重力に抗う動き(腕を上げる、重い物を持つ)をすると肩関節に大きな負荷をかけることになります。
そこで、関節に余計な負担をかけずに血行を良くするストレッチ、筋トレを紹介します。
振り子ストレッチとトレーニング
① 片手をテーブルなどについて上半身を少し前屈みにします。
② もう片方の手をだらんと垂らし、そのまま前後左右に10〜20回程度小さくゆすります。腕の重みと反動がやさしい負荷となります。
③ 無理がなければ円を動く動きにもトライしてみましょう。
④ 痛みがない場合はペットボトルなどを持ち、少し負荷を上げるとさらに強化できます。
トレーニング
ワンハンドローイング etc
肩甲骨のアップダウンストレッチ
① 椅子に座って姿勢を正し、両手を体側にだらんと垂らします。
② 背骨を動かさないようにして肩をゆっくりと上げていきます。肩が耳の方へ近づくイメージで首をすくめてください。
③ 背骨は動かさずに肩を下げていきます。肩甲骨をズボンのお尻のポケットにしまい込むイメージで耳と肩との距離を広げていきましょう。
④ ②〜③を5〜10回程度繰り返します。
肩甲骨のアップダウン体操(四つん這い)と同じ動作ですが、座位の方が腕の重さの分、負荷が大きくなります。でも、重力の向きと動きの向きが同じため、四つん這いで行うよりカンタンに感じるはずです。
トレーニング
シュラッグ
まとめ
まだまだ色々なストレッチやトレーニングもあります。
四十肩、五十肩にならないのが一番ですが、なってしまった時の原因と対処法を知っておいてください。
肩が痛いと独りで悩まずトレーナなどにも相談してみてはいかがでしょうか